ITP(免疫性血小板減少症)の
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SUBSIDY 医療費助成制度

医療費助成制度について

長期にわたって疾患と付き合っていく中で、患者さんやご家族にかかる経済的な負担は少なくありません。国ではこうした負担を軽くするための医療費助成制度を設けています。

ITP(免疫性血小板減少症)は、国が定めた医療費助成の対象疾患(指定難病)に該当します。そのため一定の要件を満たしていれば、「特定医療費(指定難病)助成制度」を利用した医療費の助成が受けられます。

対象となった患者さんには、「医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」が交付されます。各指定医療機関(都道府県・指定都市から指定を受けた病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション等)を利用する際は2つとも毎回提示する必要があります。

指定医療機関を確認したい方は、「難病情報センターホームページ」の「難病指定医療機関・難病指定医」ページでお調べください。

医療費助成の対象者

ITPと診断された患者さんのうち医療費助成の対象となるのは、疾患ごとに定められている「重症度分類」の重症度基準でStageII以上の方です。

StageII以上とは

  1. 血小板数が5万/μL以上で10万/μLより少なく、粘膜出血もしくは重症出血がみられる。
  2. 血小板数が5万/μLより少ない(無症状でも対象)。
〈重症度分類〉

重症度基準でStageII以上を対象とする。
(血小板)
免疫性血小板減少症重症度基準

臨床症状
血小板数
(×104/µL)
無症状 皮下出血*1 粘膜出血*2 重症出血*3
5≦   <10 I I II IV
2≦   <5 II III IV V
<2 III IV IV V

*1 皮下出血:点状出血、紫斑、斑状出血
*2 粘膜出血:歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多など
*3 重症出血:生命を脅かす危険のある脳出血や重症消化管出血など

※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項

  1. 病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。
  2. 治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。
  3. なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。
  • 難病情報センターホームページ|免疫性血小板減少症(指定難病63)|概要・診断基準等(厚生労働省作成)(2025年5月現在)より引用

※免疫性血小板減少症はこれまで、特発性血小板減少性紫斑病と呼ばれていました。

医療費助成を受けるためには都道府県・指定都市の窓口に医療費助成の申請を行います。申請時には、都道府県知事または指定都市市長による指定を受けた医師(難病指定医)のみが作成できる臨床調査個人票(診断書)を提出する必要があります。

医療費助成制度の申請方法などについて詳しく知りたい方は、「難病情報センターホームページ」の「医療費助成制度」ページをご確認ください。難病指定医について調べたい方は、「難病情報センターホームページ」の「難病指定医療機関・難病指定医」ページで検索することができます。

軽症高額該当について

重症度基準で助成の対象にならない患者さんでも、「高額な医療を継続することが必要」な人は特例として医療費助成の対象となります(軽症高額該当)。

「高額な医療を継続することが必要」とは、医療費の総額が33,330円を超える月が申請する月以前の12か月に3回以上ある場合です。

軽症高額該当について詳細は、指定医療機関やお近くの保健所にお問い合わせください。

医療費助成の対象範囲

医療費助成の対象は、原則として指定医療機関で行われた疾患(ここではITP)に関する保険診療費に限られます。

対象とならない医療・介護サービスの例を紹介します

  • 難病と指定された疾患以外の病気・けがによる医療費
  • 保険適用外の治療、差額ベッド代、個室料
  • 入院時の食費
  • 介護保険での訪問介護費
  • 医療機関・施設までの交通費
  • 鍼(はり)、灸(きゅう)、按摩(あんま)、マッサージ費 など

医療費の自己負担上限額

医療費の自己負担が3割の方は、2割になります(1割負担の方はそのまま)。

また、患者さんは世帯所得に基づいて月額の自己負担上限額(病院・診療所や薬局など複数の指定医療機関で支払った額を合算したもの)が設定されます。医療費が自己負担上限額に達しているかどうかは「自己負担上限額管理票」で管理され、指定難病に関連する受診等をするたび、指定医療機関が患者さんから徴収した医療費を管理票に記入します。

月額の自己負担上限額に達した場合は、その時の指定医療機関が確認し、それ以上の額を患者さんに請求しません。

医療費助成における自己負担上限額(月額)
  • 難病情報センターホームページ| 各種制度・サービス概要 |指定難病患者への医療費助成制度のご案内(2025年8月現在) より引用

「高額かつ長期」について

指定難病に関連する医療費総額が5万円を超える月が年間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」と認定され、上の表に記載されているように医療費がさらに抑えられます。

ほかにも、経済的な負担を軽くする制度があります

  • ITPにかかる医療費に限らず、様々な医療機関等で支払った合算額がひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する「高額療養費制度」
  • 小児(18歳未満)がかかる慢性疾患のうち、国が指定した疾病(ITPなど)の医療費の自己負担分の一部を助成する「小児慢性特定疾病医療費助成制度」など

これまで紹介した医療費助成制度について詳しく知りたい方は、お住まいの自治体ウェブサイトや難病支援センター等を確認しましょう。必要であれば自治体の担当窓口に問合せてみてください。

監修:埼玉医科大学病院 血液内科 教授 宮川 義隆 先生

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