生活上で注意すること
ITP(免疫性血小板減少症)と診断された患者さんで血小板数が3万/μL以上ある場合、通常は日常生活を制限する必要はないと言われています1)。それでも日常生活を送る上でいくつか注意することがあります。
主な日常生活の注意点1,2)
- 治療薬によっては、生活上で気をつけなければならないことがあります。服用方法・服用量を守って正しく服用しましょう。
- 気になる症状が出た場合は、主治医に報告しましょう。
- 鎮痛剤や解熱剤など、治療薬以外の薬を服用したい場合は事前に主治医に確認してください。薬によっては出血症状が悪化する可能性があります。
- 風邪などウイルス感染やワクチン接種をきっかけに、出血症状が悪化する場合があります。その場合は主治医に連絡しましょう。
- 日頃から皮膚や口の中を観察し、 点状出血(皮膚にポツポツと点状に現れる出血)や血腫(血豆)ができていないか確認するようにしてください。
- 血小板の数値が低いときは、出血症状が悪化することがあります。過度な肉体労働や打撲するようなスポーツ(サッカーや剣道、柔道など)は避けましょう。
外科処置を受ける・他の診療科を受診するとき
手術のほか、抜歯や歯石除去など出血を伴う処置を行う場合、血小板数によっては事前に数値を上げておく必要があるので主治医に相談しましょう。
また、他の診療科を受診する際はITPと診断を受けていること、現在使用している治療薬など疾患に関する情報を担当医師にしっかり伝えてください。
ITPの患者さんの妊娠・出産について
ITPと診断されても、患者さんは妊娠・出産を希望することができますが、個々の患者さんの状態にもよりますので妊娠・出産を希望する場合は医師とよく相談してください。
妊娠中の血小板数は3万/μL以上を保ち、出産時の大量出血を防ぐため分娩時の血小板数は自然分娩であれば5万/μL以上、帝王切開であれば8万μL以上を目標にします3)。
妊娠中に100%安全に使える薬はありません。妊婦に対しては副腎皮質ステロイドを用いた治療もしくは、免疫グロブリン大量療法で治療を行うことが推奨されています3)。
- 1)難病情報センターホームページ|病気の解説(一般利用者向け)|免疫性血小板減少症(指定難病63)|よくある質問(2025年5月現在)
- 2)難病情報センターホームページ|病気の解説(一般利用者向け)|免疫性血小板減少症(指定難病63)(2025年5月現在)
- 3)宮川義隆 ほか(厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 血液凝固異常症に関する調査研究班 妊娠合併ITP診療の参照ガイド作成委員会).妊娠合併特発性血小板減少性紫斑病診療の参照ガイド.臨床血液55(8):934-947,2014
監修:埼玉医科大学病院 血液内科 教授 宮川 義隆 先生